伝統的な古民家のリフォームには、やはり伝統的な工法を用いなければなりません。
築200年の古民家再生現場では、土台を施工中です。「栗の木」の土台です。もちろん、輸入品などではありません。国産の栗の木をかき集めました。(商品の流通が極端に少ないのです)大きな原木を購入して、数ヶ月乾燥させました。
少し大きめに製材して、さらに乾燥期間を置いてから製品として製材します。4寸(120)×4.5寸(135)の大きさです。栗の木は、湿気に強く、シロアリなど害虫にも強いので、土台や柱に多く使われて来ました。杉や檜のように真っ直ぐな木が少なく、2mとか3mなどと短い材料が多いので、強固に緊結する必要があります。
主に土台の継ぎ目は「腰掛け蟻継ぎ」が多く採用されます。
古民家でも、強度が必要とされる「梁」や「桁」などの重量がかかる場所には「金輪継ぎ」と言う加工方法を用います。材木の継ぎ目が一体になるため、継ぎ目のない1本の木材として考えられているのです。
このたびの古民家再生では、手間ヒマがかかるこの工法を敢えて土台にまで採用しました。↓写真内の上下の木材をつなぎ合わせます。
そして、栗の木の端材を利用して「栓」を差し、動かないよう一体の木としてしまいます。
古民家の再生には、随所に「匠の技」が発揮されますが、このような技術を持った職人さんが少なくなりました。「匠の技」を、日本伝統工法として、後世に残していきたいものです。