築70年の古民家現場です。
予想外に悪かった足下が全て(想定外でしたが(笑))撤去されました。床下が1m20cmはあります。
普通の家では、整然と並べられた大引き(写真の横部材)をまたいで作業が出来るのですが、床下が1m20cmもあるので、上がったり降りたりする時間がかかり、大変な現場となっています。
作業する人間からすると床下が深いのは大変なことなのですが、建物にとっては、湿気が上がってこないと言うか、湿気が通風で乾くので、とても快適なのです。しかし、通風が良いということは、床下が【寒い】ってことにも関係します。
そこで、和室の畳下なのですが、畳というは、案外スキマからすきま風が入るので、断熱材をふんだん?に使用する計画です。さらに、床下の木材にはシロアリをはじめとする害虫が寄りつかないように、半永久的に分解しない「ホウ酸」を主原料とした防虫・防腐剤を塗布します。
幸いにも築70年のこの現場では、床下が高く取ってあり比較的シロアリの被害が少かったですが、念のため、新しくした木材へは「ホウ酸」を主剤とした防虫・防蟻・防かびに効果があり、床下浸水にならなければ半永久的に持続すると言われている商品を使用しました。
現場には毎日朝から晩まで「現場監督さん」が常駐されています。昔、大工さんだったお施主様の「おじいちゃん」です。ホウ酸系の防虫・防蟻剤を噴霧していると・・・
「なんだこりゃ!ニオイがせんのぉ~!ほんに効くだかや?」と。(笑)
「ホウ酸系の防虫・防蟻剤ですよ!ホウ酸はうがいに使ったり、目を洗ったりするときに使うでしょ!だから、安心なのです。ニオイはほとんどしませんよ!木材に生えたカビもとれますよ!」
「ほ~ん、そげか!」(ふ~ん、そうですか!の意)
この古民家の床下は1m20cmもあり、広い地下空間?が広がっています。床下の木材も、まるでお寺さんの床下みたいに長い材料を使います。もちろん地産地消で地元の木材を使っています。ここにも、シロアリ防除・予防薬として「ホウ酸系」の薬剤を噴霧しました。これで、室内のシロアリ環境は、50年くらいは安心です!
続いて、寒さ対策です。床下が深いと、寒さにも神経を遣います。畳の下へは殆ど施工しない分厚い断熱材を敷き込みました。これでホカホカ暖かい冬が過ごせます。