築70年の古民家です。
地震や経年によって建物が少しずつ歪んでいます。それを元どおりに修復しようと、今日から家曳き業さんがやってきました。ものすごい道具です。しかし、この現場は普通では考えられないほど床下が深いのです。
柱へ1本ずつジャッキアップして修正をします。建物が「ギシギシ」と悲鳴を上げています。畳をはぐり、床板を撤去してみると、床下で運動会が出来るほど(笑)、ものすごく深い床下でした。
写真の脚立は4尺用ですから、およそ1m20cmほどあります。
金融公庫の仕様では40cm以上であればいいことになっていますが・・・とんでもなくふか~い。。。(深いことで床下の湿気があがってこないから腐れにくい)その上、床を支える「束(つか)」が欅などの自然木を利用してあります。通常は柱材の切れっ端などを使っていますが、とてもエコロジーな使い方でした。欅などはシロアリなど食害が少ないのと腐れにくいのです。
5t、10tと言った油圧式のジャッキで、柱ごと持ち上げます。
お父さんの肩や腰を揉んであげるときに「イテテテテ・・」と言っているように、長年かかって倒れかかった建物が悲鳴を上げているようにも思われます。
そして、新築時のように背筋もピーンとした古民家が 蘇ります。(持ち上がった柱)
私たちは、この古民家が50年以上も使えるように修復します。伝統工法なら修復も可能です。水平になって、垂直になって建具もすんなり動くようになります。
住宅団地に建っているような最新式の建物は、寿命が25年とか30年しかもたないとも言われています。(古民家の修復はそれより長い寿命で再生が可能です!)それを、数年後リフォームすることによって高気密とか高断熱、そして耐震強度まで影響して来ると考えられます。(古民家の耐震は、建物自体が揺れることで緩和されます)
古民家は、高気密住宅などと比較して確かに「寒いです!」しかし、寒いときは1枚余計に着るモノをまといます。それが抵抗力となって鍛えられます。